PMBOK第7版の変更点と概要
📆08/09/2021🔖 開発
PMBOKとは
Project Management Body of Knowledgeの略称で米国PMI(プロジェクトマネジメント協会)本部で発行されている、プロジェクトマネジメントの標準とされている知識体系をまとめたガイド。
2021/08/01 に第7版がリリースされたが、第6版までと大幅に変更があったのでこの度変更された要点をまとめる。
PMBOK第7版改定で改定されたことを目次構成をさらってまとめる。
第6版まで
成果物を確実に届けるためプロセスを重視する。
QCD(Quality, Cost, Delivery)のコントロールをして、決められた納期に合わせて顧客の要望にあった成果物を出すということを重視している。
プロジェクトに要件定義や設計、開発、テストといったフェーズがあり、そのフェーズの中にそれぞれ5つのプロセスがあると考えて管理している。
そして各フェーズ内のプロセス群を進めるために10の知識エリアというものがあり、それらを管理することで確実にプロセスを進めている。
第7版での変更
トップダウン型のプロジェクトをプロセスに分解してプロセスをクリアすることで成果物を届けるという考えから、プロジェクトの結果現れる成果物や価値により重点を置いた内容になっている。またプロセス群と知識エリアのマトリックスでプロジェクトを整理する考えからプリンシプルとパフォーマンスドメインによってプロジェクトを捉えるよう構成を再編し、プロジェクトにおけるWhatやWhyをより重視したものとなっている。
12のプロジェクトマネジメント原則(プリンシプル)
これは意思決定や問題解決のためのガイドラインであり、
8つのプロジェクトマネジメント知識体系(パフォーマンスドメイン)
こちらはプロジェクトの成果を効果的に実現するための活動のグループである。
全体的に知識エリアではなく行動領域へと括り方が変化している。
このようにしっかり計画し、リスクを予測して洗い出して確実に対処していくアプローチから、曖昧なものでも原則に基づいたものであればまず出してみて価値を探しながら作っていくという敏捷性を重視したアジャイル的アプローチへと変わっていっている。
またITTO(インプット、ツールと技法、アウトプット)もなくなり、固定された前提条件のものに誰がプロジェクトマネジメントをしても同じアウトプットを出せるようなフレームワークから、ユーザーやステークホルダーをしっかり観察し、不確実なものでも原則に基づいて仮説構築や意思決定を行なって進めていく手法をとっていくフレームワークへと変わっていっている。